遥々、ブルガリアからやってきたSS(SuperScale)ユニットが、一か月の長旅を経て到着。ついにアクティブサスペンションが、機能するようになりました。
無改造のコンセプト
私が、今回取ったコンセプトは、市販のキットに無改造で、取り付けるボルトオンで、通常のスプリングダンパーと、アクティブサスペンションをインテグレートして、誰でも気軽に、屋外での走破性を保ちつつ、アクティブサスペンションによる、実写ライクなリアルな挙動を楽しめるキットを作ろうということです。
そのため、今回使用した、Yokomo のドリフトキット(ドリパケ)には、工具を使った加工は、一切行わずに、部品交換だけで、アクティブサス化を実現しています。
ヨコモのドリフトパッケージは、入手もしやすいので、誰でも気軽に、アクティブサスペンションにチャレンジできます。
SSユニットの仕組み
SSユニットは、ドローンで使われているジャイロを使って、車の加速度、角速度を検知し、その挙動を、より増幅し、1/10スケール車であっても1トン以上の実車の様な挙動を再現するRCカー用のFCの様なものです。例えばこのような挙動が再現できます。
加速するときに、前側が少し上がって、後ろ側が沈み込む挙動。
減速した時のノーズダイブ
旋回時の車のローリング
などです。6DOFのジャイロを使っているので、車の挙動に対し、4輪の車高をリアルタイムに調整して、実車の挙動のようにリアルにふるまいます。
また、今回作ったキットでは、サーボの入力と、路面からの、ショック入力を、ミキシングレバーを使って、統合しているので、路面からの直接振動は、従来のスプリングダンパーが吸収します。
コンバージョンキットの内容
わかり安く、オレンジの部分がすべてです。4輪すべてに車高をコントロールするサーボを搭載するため、電源の確保が重要です。SSユニットはバッテリーからの電源を直接使うことができ、ハイトルクの電流値が高いサーボでも問題なく動かせますが、サーボによっては、電圧調整が必要になります。その場合は、10Aの容量を持つBECが必要です。
ハイトルクサーボに電流が流れすぎると、SSユニットのコアであるArduino Nanoがリセットされてしまうので、電源確保は重要です。
サスペンションの挙動
サスペンションの挙動は、早く、高トルクが必要なので、特に短いサーボホーンが必要です。こちらも、独自に設計して作成しました。サーボホーンは非常に重要です。
ジャイロのマウント位置
ジャイロはもともとSSユニットに実装してありますが、今回のように、プロペラシャフトのあるシャーシでは、正しい位置にマウントすることが、できません。ジャイロは、車体のピッチ/ロール軸上に設置する必要があります。
そのために、今回は、メイン基板からジャイロを外して、ピッチ/ロール軸上にジャイロをマウントし、SSユニットには配線で接続する手法を取りました。
SSユニットを販売するスーパースケール2020と話をしたところ、このようなシャフトドライブ車用に、あらかじめ、基板にジャイロを取り付けない形で販売する選択肢を作るとのことです。
振り付け
コンバージョンキットで、アクティブサスペンション化した後は、SSユニットの調整に入ります。SSユニット本体についているポテンションメーターは、正しい数値がわからないので、Laptop パソコンンに接続しながら、車体が正しい動きをするように設定し、そのあとは、どれくらいリアルな演技をするのかを、パラメーターを調整していきます。
すべてのキットを組みつけても、大抵のスケールボディーは使用可能です。
また、SSユニットの機能として、エンジンのスロットルによって、車体が揺れたり、ブレーキ操作をすると、ブレーキランプが光ったりする機能もあり、そのためのLEDなどもユニットに含まれています。
雨が続く中、なかなかボディの塗装に入れませんが、次回には、お見せすることができると思います。
ドリフトカーシリーズ 今までの流れ
ドリフトカーのアクティブサス化 1
ドリフトカーのアクティブサス化 2
ドリフトカーのアクティブサス化 3
ドリフトカーのアクティブサス化 4